Osteria Nakamura

 

☆Vol.2 レンズ豆

 たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルを豊富に含む豆。栄養があって保存にも便利な豆類は、イタリアに限らず、各国でさまざまな料理に使われています。日本に比べて、豆の種類も豊富で、色や形もバラエティーに富み、料理法もさまざまなのはご存知の方も多いことでしょう。日本の甘い煮豆もおいしいものですが、甘みを加えて煮るという料理法はむしろ珍しく、外国では、イモ類や野菜と同じように、シチューやカレーのような煮込み料理に使ったり、ペーストにしたりする料理法が多いようです。
  さて、ナカムラでも「牛ホホ肉とレンズ豆の焼テリーヌ」や「いかと白インゲン豆の温かいサラダ」など、豆が風味や食感を演出してくれるお料理が定番であります。とりわけ「焼テリーヌ」のこんがり香ばしい風味の中で、時折口の中に独特の食感をかもしだしてくれる「レンズ豆」は小さな形のかわいさが特徴。平豆(ヒラマメ)とも呼ばれるレンズ豆は、5ミリくらいの大きさで、その名のとおり、平たくて凸形のレンズの形をしていることからこう呼ばれています。イタリアのほか、フランスなどでもよく料理に使われます。たんぱく質、鉄分、ビタミンB群、食物繊維も豊富で、優れた栄養食品で、小さくて平たいことから、火が通りやすく調理しやすいのもメリット。
  ちょっとおもしろいことに、イタリアでは、レンズ豆はその形がお金(コイン)に似ていることから、「新年になったらお金が入りますように」という願いをこめて、大晦日の夜にレンズ豆を添えた料理を食べる習慣があります。「縁起物」って、なんとなく日本古来の習慣のようですが、イタリアの大晦日・お正月ではお金を意味するレンズ豆や福を招くとされる赤い色はまさに「縁起物」。
  赤いドレスやネクタイ、ポケットチーフや靴下etc…赤い色を身にまとった夜、ナカムラの「牛ホホ肉とレンズ豆の焼テリーヌ」を召し上がれば、思わぬ福が舞い込んでくる…かも!?

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